塾の授業形態の分類で「集団」か「個別」か「映像」かというテーマがあります。
実はこの分類、「成績上位の生徒」についてはあまり意味を持ちません。
というのも、「学力上位の生徒」はどの形態で勉強しても成績が上がるからです。自分でも自主的に勉強してますし、勉強できますからね。
合格実績を塾同士が競い合うわけですけど、これもまたあまり意味がありません。合格実績を支えているのが学力上位生達だからです。
つまり、どの塾でも合格できる可能性が高い生徒達だったわけです。
合格実績の争いは、「学力上位の生徒がたくさん通っていた」というだけなんです。
学力中位生や下位生が、その塾に通って上位の生徒達と勝負できるかといったらそんなことはないわけです。
したがって、問題は学力中位~下位の生徒達です。
このボリューム層の子達が、「自分より上の学力層の子達と勝負できるところまで学力を引き上げられるのはどの授業形態か」。これが授業分類を論じる上で外せないポイントになります。
自分より上の学力の子達とは、最初に「一定の学力差」があります。
この差を入試や定期テストまでに解消するには、「勉強のペース」が重要になります。ゆっくりマイペースにやっていたら追いつけません。
この「勉強ペース」の点で考えると、「映像」が一番早く学べます。早送りや1日一気に見ることができるからです。
しかし、中位や下位の生徒にとって映像でガンガンやっていくのは理想ではありますけれど現実的ではありません。そんな芸当ができるなら、上位にすでに入っていたことでしょう。
できれば「極端に勉強ペースを上げずに、学力差を縮めたい」のです。
この視点で「集団」か「個別」か「映像」という授業形態を考えてみましょう。
この授業形態で注目すべきポイントは「講師の質」です。
「集団」や「映像」だとプロがやっていることが多いので、「少ない努力で学力差を縮めてくれる」可能性は高くなります。
しかし、これも人がやっていることですから、どうしても講師の当たりハズレは起きますよね。
当たりの実力講師は映像授業を担当するのでハズレの割合は低くなりますが、「映像を売る人」が間に入ってきます。
そうすると、あれこれと必要のないものまで受講することになるケースもあるでしょう。映像を売る人は「売ること」を競っているからです。
なので、自分で勉強できるものまで受講させられたりすることも起こりえます。
一方、一気に講師のレベルが落ちるのが「個別」です。
期間限定・時間限定でやっている大学生がほとんどだからです。大学生からすれば「授業を無難に回しても給料は同じ」なんですね。「学力差を縮めよう」という視点より「無難に効率良く回そう」とどうしてもなってしまいます。
失点分析、過去問分析などの時間のかかる作業は給料の発生しないシャドウワークですから、大学生からは敬遠されることが多くなってしまいます。
こうして個別では講師でハズレる割合は高くなっていきます。
このようにみると、塾の授業形態は分類されてますけど、結局「誰かに運命をゆだねてしまう」という点に関してはあまり変わらないと言えます。
ただ受験やテストは基本的に1回しかチャンスがありませんから、誰かに運命を委ねるのではなくて自分の勉強のやり方を変える方に力を注いだ方が賢明だと言えます。
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