2012山梨で出題された本です。中学受験だとかなり出てくる作品です。
小学5年生の頃を主人公が回想するというところで物語は始まります。
「それが、5年生になったばかりの出来事だ。その日のことはよく覚えている。「あなたのターニングポイントはいつですか」と聞かれたら、ぼくはまずその日のことを答えるだろう。」
お話は、5年生のときの、友達とのやりとりや、母親と離れおじいさんと共同生活している「しずかな日々」が綴られています。
「人生は劇的ではない。ぼくはこれからも生きていく。」
劇的な展開はないのだけれど、ぼくの日常に「母親の謎」が絡んでくるという構成は良くできていてとても面白かったです。
また、表現も非常に上手で読んでいて「ほっこり」できます。
例えば、「夏は日が長い」ということでも、
「夏は日中が長い。夕方がちっとも迎えにこないから、ぼくらはいつまでだって遊んでいられるし、そのぶんお腹もすいてしまう」
と素敵な表現にしてしまいます。
椰月美智子さんの他の作品も読んでみたいですね。『12歳』『みきわめ検定』などがかまなびにもあるので早速読もうと思います。
コメントをお書きください