全国学力調査や実力テストが終わってちょっとひといきついた「かまなび生達」。
いつも一人一人違った「課題」をひとつずつクリアしているのですが、今日は気分転換も兼ねて「文学的文章の読解」をみんなでやってみました。
「文学的文章」など現代文の読解であれば、学年関係なく進めることができるのがいいです。しかもいきなり入試問題に入っていけちゃいます。
まだ始まったばかりなので、できるだけ親しみやすく、面白い内容で、語彙力もあまり問われないものをセレクトしました。
2013年三重県、広島県で出題された、あさのあつこさん「おまもり」です。
そして、読む際には以下の「文学的文章の読解の基本動作」を行ってもらいました。
★重要な登場人物に○をつけてみよう
>>重要な人物かどうかは、問題文でチェック
★重要な登場人物の「心情を表す表現」に波線を引いてみよう
>>動作やセリフにとくに注意
★場面が変わるときは「線でぶったぎって」みよう
>>自分でCMを入れる感じで
★舞台設定に注目して線を引いてみよう
>>江戸時代とか昔の設定が、千葉県では頻出。冒頭や注釈に書かれていることも多い。
それで、実際に読んでもらって、チェックしたことは、
問題文を読むと、「美月」と「恵美菜」に関する出題が多いので、この2人が「重要人物」みたいだと、まず押さえてもらいました。
次に重要人物の心情を表す部分に波線と、場面をぶったぎってもらいました。
そうすると4つの場面に区切ることができました。
それぞれの場面での主人公「美月」の気持ちをまとめてもらいました。
①第一場面
美月…転校が決まって、親友の恵美菜と別れることになって「悲しい・つらい」
恵美菜は、あたしがいなくなっても、さびしくなさそう
↓
美月は、恵美菜との「距離感」を感じて「かなしく」感じてしまう
②第二場面
転校してから、恵美菜とは連絡していない。「(連絡して)冷たくされたら…、手紙の返事がこなかったら…」
↓
不安になっている
③第三場面
恵美菜からもらった「おまもり」の思い出を思い出す。
④第四場面
ある出来事が起きて、恵美菜の本当の気持ちがわかる
↓
恵美菜に手紙を書こうと決めた
こうやって、場面を区切って、重要人物(主人公など)の心情を場面ごとに押さえてもらって、記述問題に挑戦してもらいました。
やっぱり文学的文章の読解は「記述」で差がつきますからね。
例えば、2013三重の大問2の最終問題「「今日帰ったら、手紙を書こうと思った」とあるが、美月が恵美菜に手紙を書こうと思えるようになったのはなぜか、これまで美月が手紙を出すことができなかった理由にふれて、本文中の言葉を使って書きなさい。」
こういう記述は中学生敬遠しがちなんですけれど、しっかりと場面を分けて心情把握できていればそんなに難しくありません。
注意するのは問題文の「これまで美月が手紙を出すことができなかった理由にふれて」
ということは、手紙について書かれている場面は2つあったはずだと分かります。場面でぶったぎったのが、ここで威力を発揮するわけです。
もちろん1つは、傍線部で問題になっている「手紙を書こうと決めた」第4場面。
それともう一つ「第2場面」です。ここまで押さえられれば、書けますよね。
(第2場面で)~たらと「不安」で手紙を出せなかったが、
↓
(第4場面で)~という恵美菜の気持ちがわったから。※文末注意
という展開で書けばOKです。この最終問題は宿題でやってもらうことになっています。
次回の文学的文章の読解は宮下奈都さんの「よろこびの歌」を予定しています。
※今回の「おまもり」第4場面は、ネタばれ防止のために公開しないようにしました。
「おまもり」はこの中に収録されています。
飛ぶ教室 第25号 (2011年春)
コメントをお書きください
Dr.ラポール (金曜日, 25 4月 2014 09:05)
かまなび様
初めまして。いつも拝見しております。
とても参考になる記事でした♪
「ぶったぎり」は面白いですね。
また寄らせていただきますね。
ラポール個別指導塾
かまなび (金曜日, 25 4月 2014 16:22)
ラポール個別指導塾様
コメントありがとうございました!
「場面ぶったぎり」ですが、生徒はフーンぐらいでした…(;´Д`A
これからもよろしくお願い致します。m(_ _)m