『どんどん沈む日本をそれでも愛せますか?』



高橋源一郎氏と内田樹氏による対談本です。

 

3・11の大震災、福島原発が事故を通じて日本が転換期にある中で、どうやってこのような日本で幸せに暮らすかが語られています。

 

対談では、これからの日本のモデルが『風の谷のナウシカ』の「風の谷」だと話されています。以下引用。

 

 

 

 

引用

「内田:これからしばらくは放射能が完全に浄化できない以上は、どうやってそれと共存していくかを考える。

 

高橋:『風の谷のナウシカ』だよね。

 

内田:そう、ともに生きる!

 

高橋:腐海とともに生きる(笑)。

 

内田:そうだよ、原発はまさに「腐海」なんだよね。我々は「腐海」とともに生きるしかない。

 

 

原発を島全体で反対している「祝島」の話なども出てきて、原発についても考えさせられる内容になっています。

 

でここからが本題ですが、今後の教育についても語られていたのでとっても参考になった部分を引用します。

★子どもたちのポテンシャルを開花させるために必要なこと

引用

「子どもたちのポテンシャルを開花させるために絶対に必要なことっていくつかあるんだけど、1番は、今言った、「温室」を作るってことね。外界の雨風から子供たちを守る。2番目は忍耐力子供たちが学びたいという気になるまでじっと待つ。3番目がおせっかいなんだよね。「待つ」というのと「おせっかいする」というのは明らかに矛盾するんだけど、重要なあらゆる人間的行為って、結局は矛盾することを同時に遂行することでしか実現しないじゃない。ただぼおっと子供が学びに目覚めるまで待っているというのは、言葉では言えるけど、教師だって人間だから、そんなことできっこない。どうしたって「おい、目、覚ませよ」ってつんつんつついちゃう。つついたり、餌放ったり、いりいろやるのよ。だって、わかんないからさ、子供たちの中にどんな可能性が眠っているかなんて。どんなきっかけで学びが発動するかって予測不能なんだよ。だから、経験的にいちばん確かなのは、手持ちの餌は全部投げてみるということなんだよ。何が「トリガー」になって目を覚ますか、わからないもの。子供って個人差ありすぎて。」

引用終

 

 

 

これって「かまなび」のことじゃなかろうか。子どもの学びを発動させるために様々な手持ちの餌を放っているのが「かまなび」です。学びにつながるものはかなり揃っていますので、目を覚ましたい子どもたちは是非。