池谷裕二『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』

一般に言葉を覚える能力は8歳まで!?

 英語の発音は日本人にはかなり難しく感じます。

 

 例えば、「la」と「ra」を聞き分けるのは難しいですよね。どちらも、「ラ」と聞こえます。

 

 というのも、日本語の母音は「aiueo」の5つですから、この母音で育ってしまうと、脳の回路がこれをもとに組み立てられてしまうからのようです。

 

 なので、小さいうちから日本語しか聞いていない場合、ネイティブのように英語力を高めようとするのは、脳科学的にかなり難しいということになります。

「デ」ズニーランドになってしまう!?

年輩の方で、「ディ」ズニーランドといえずに、「デ」ズニーランドになってしまうのを聞いたことがあると思います。これは、幼少期に「D」の発音を聞いてこなかったからなんです。

 

 したがって、中学生から英語を習い始めた人はもう手遅れで「カタカナ英語」でしか話せない仕組みに脳がなってしまっているというのです。

 

 それならば、それを逆手にとって、ネイティブの発音に近いカタカナ英語の法則をマスターしよう。こう主張するのが、脳科学者の池谷裕二先生『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』です。

 例えば、この本の表紙にある「Say it again(もう一回言ってください)」を「セイ イット アゲイン」と言っても通じません。

 

 ここで、「単語と単語がくっつく:リエゾン」と「tは母音に挟まれるとラ行になる法則」を使って「セイーラゲイン」と言うと通じるという具合です。

 

 本書には、この他にも英語の発音の法則がたくさん入っているので使いこなせばそれっぽく話すことができるようになります。

 

 英語上級者向けではありませんが、できないなりにも英語をネイティブっぽく話したいというニーズには十分応えてくれる内容になっています。