塾の支配から自由になろう!

塾に通っていれば安心?

夏休みが近づいてきています。受験生は夏休みに塾の授業をたくさん受けることになるのが一般的です。

 

しかし、塾の授業を入れすぎてしまい、自分で勉強する時間がなくなってしまうケースをよく耳にします。

 

受験だし・・・、成績が思うように伸びないので、あれもこれも受講しないと不安。

 

確かに、気持ちはわかりますが、授業を聞いているだけでは成績は上がりません。復習するアウトプットの時間を必ず入れるべきでしょう。

 

塾の授業を1日中受けて、「あー疲れたー!腹減ったー!家に帰って、ご飯食べて、風呂入って寝よう!」

 

これが一番危ないパターンです。

 

ところで、なぜ塾に通い授業を受けないと不安になるのでしょうか。

 

塾では合格実績を大きく出してたりしますけど、思っているほど結果は出ていないと思いますよ。塾に通いながら結果を出せなかった人の方がはるかに多いはずです。

 

ここで参考になるのが森博嗣さんの『自由をつくる自在に生きる』です。ちょっと引用してみます。

●人間には支配を受け入れる本能がある。甘んじるというよりも、支配されている方が安心できる、という傾向も観察される。

 よくこんな発言をする人がいる。「なんでもいいから、とにかくはっきりと決めてくれよ。それに従うから」という台詞、聞いたことがあるのでは?

 ルールがあった方がわかりやすい、みんなと一緒ならば大丈夫、という気持ちは誰にでも心当たりがあるだろう。なにもかもが自由だといわれると、荒野に放り出されたみたいに不安な気分になる。いちいち何をどうすれば良いのかを考えなくてはいけない。そんなことにエネルギィを使いたくない。・・・・周囲に身を任せ、流れるままに生きていきたい、というような傾向である。

 僕は、そういう生き方を見ると、サバンナを行く水牛の群れを思い浮かべる。一頭一頭はなにも考えず、ただ前進しているだけである。●

塾に通っているだけで満足していませんか?

 

支配されたいというのは本能だというわけです。それで私たちは思考停止してしまうという恐ろしい指摘です。

 

受験では、自分で考えず思考停止した場合が一番危険な状態です。

 

みんな受験勉強はしているんですよ。君だけが受験勉強をしているわけではありません。

 

もしこの夏に「ライバルと差をつけよう」と考えているなら、塾に支配された思考停止状態で差がつくはずがありません。

 

塾に支配されることで不安は和らぐかもしれませんけど。通っているだけで満足しないことが肝心なのです。

塾の成功事例が自分にあてはまるかどうかは全く未知数

塾で成功したモデルケースのように塾に支配されれば何とかなるんじゃないのか。いえいえ、そういう成功事例が自分にあてはまるかどうかは全くわからないのです。

 

環境や状況は一人一人異なるからです。前提条件が異なる場合に、同じ入力をしたとしても、同じ結果が出るかはわからないのです。

 

自動販売機で考えるとわかりやすいでしょう。お金を入れてボタンを押せば何か飲み物が出てきます。

 

しかし、前提条件である、「コカコーラ社」なのか「キリン」なのか「サントリー」なのかで出てくる飲み物は違ってきます。

 

機械ですらそうなのですから、人間では結果がかなり異なる可能性が高いだろうということは容易に想像できます。同じ教育を受けながら、ある人は号泣議員になり、ある人は作家や芸術家になるぐらい結果は異なってくるのです。

 

塾の成功事例は、あくまで参考程度です。「ふーん」ぐらいでいいのです。

 

ポイントは、塾に支配されたがる自分の傾向に気をつけつつ、自分で自由に考えて自分なりの勉強の形を見つけることです。

 

もう一度、引用して終わりたいと思います。

支配されていることに気が付こう

「支配」であるという認識が大切だ、ということをいいたいのである。

 この「自覚」こそが重要だと考える。支配だと気づくことで、その傘の下にいる自分を初めて客観的に捉えることができる。それが見えれば、自分にとっての自由をもっと積極的に考えることができ、自分の可能性は大きく広がるだろう。●