再録『インプット重視で煽れば大儲け!?』


 さてさて、経済が停滞してゆきますと、塾を開いても生徒を集めることが難しくなっていきます。

 

 そうすると、塾業界は「1人あたりの売り上げを上げること」に力を入れるようになります。売り上げを上げるために、授業回数を増やしたり、たくさん講座を取らせようとしてくるわけです。

 

 例えば、「定期テスト対策授業」「入試対策~」などなど。

 

 でもこれおかしいですよね。

 

 「定期テスト対策」や「入試対策」で塾に入っていたわけですから。

 

 じゃあ、今までは何だったの?ということになるでしょう。

 

 しかも、そういった「授業・講座」を増やすことは、思ってるほど効果が出るものではなかっという点に関して、以前のブログを再録してみます。

一般的に「授業時間」と「成績」は相関していると思われています。

 

授業時間が増えれば、成績は上がってくるという具合にです。

 

学習習慣のない生徒であれば、それはそうなるかもしれません(やらないよりやった方がマシというレベルですけど)。

 

だけど、学習習慣のある生徒であればどうでしょう。

 

授業を受けている間は、自分で勉強できない、つまり、アウトプットができないんですよ。

 

脳科学では、アウトプットが大事ということが言われています。

 

テストや演習を繰り返しやっている生徒の方が、授業や教科書を眺めている生徒より成績が良くなるというのです。

 

したがって、授業を増やし過ぎるとアウトプットの時間がそれだけ少なくなっていくわけですから、注意が必要です。

 

私の経験でも、授業(インプット)を最小限にして自学の時間(アウトプット)を増やした生徒の方が、うまくいくことが多かったです。

 

しかし、前述のように、塾業界は「1人あたりの売上を上げること」に非常に熱心ですから、そのことを教えてくれません。だって授業が売れなくなって儲からなくなりますから。 

 

その代わりに「この授業を受けないと間に合わなくなりますよ。」とインプット重視の方向で煽りをかけてきます。


「いつやるか?今でしょ。」というのが象徴的ですよね。

そもそもアウトプットに関しては、あまりお金かけてやることではないという意識が私たちにあります。

 

授業(インプット)とテストや演習(アウトプット)の日は分けるということに関しては消費者(保護者)も同意してしまっているのです。 


だから「授業料」という名前がついているんですね。あくまでインプットの対価として考えられています。

 

実際に「諸経費って何ですか?」とは聞かれますけど、「授業料って何ですか?」と聞かれたことは今まで一度も無いですよ。

 

成績が思うように上がらないときに、「授業を増やせば成績が上がるのではないか」という気持ちもわかります。

 

「他の塾では、ライバル達がたくさん授業を受けているから心配」という気持ちもわかります。

 

しかし、こういう「インプット時間を金で買って解決しよう」という発想が、塾業界に利用されてしまうのです。しかも前述のようにインプット時間を増やすことが効果的かというと、どうやらそうでもないらしい。

 

もう一度、なぜ成績が上がらないのか、よく考えてみましょう。

 

アウトプットが足りてないからではないですか?自分で解くことだったらお金をかけずにすぐにでもできるんですよ。

 

しかも、アウトプットでわからない問題は、調べながら学習していけばお金をかけずにインプットすることだってできます。現代のように、技術も進んだ情報化社会に、わざわざ塾にまで出向いてインプットする必要はないんです。