「なかったこと」にされてしまう「できなかった子たち」の声をきけ。


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ちょっとここで閑話休題。

塾をやっている人って何に興味があるかと言うと、

教室ごとの生徒数難関校などの合格実績なんですよね。

自分が働いていたときには、教室ごとの「生徒数ランキング」と「難関校の合格速報」が本部からのメールでよく届きましたね。

どうやら塾関係者というのは塾の良し悪しが「生徒数」と相関すると信じているようです。

そういえば、以前、かまなびを偵察しにきた塾業界の人も「生徒は何人ぐらいいるの?」と聞いてきましたね。

塾の良い悪いをご自分で判断できないのでしょう。

だからアプローチがいつもおかしくなります。

「○○教室は生徒数が多いね。どうやったら増えたの?」

このフレーズ雇われ塾長時代に、よく耳にしました。

しかし、これって
「宝くじ当たりました。どうやって当たったの?」と聞いているようなものですよね。

それを聞いたところで、同じようにやって当たるわけではないというのにどうしても後付けしようとしてしまうのです。

脳は自分で思っているよりバカなんです。


確かに、生徒数と難関校の合格者数は比例しますよ。

生徒がたくさん集まって来ているとき、塾の結果は好調になります。

なぜなら、そういうときは「できる子も来ている」からです。


ただそういうときは「生徒ができる子だった」という点を差し引くことをついつい忘れてしまうから注意が必要です。


自分も雇われ塾長やっていたときには、「理由がわからないうちに生徒が増えた」ことがありました。

おそらくいろいろな事情が重なって「たまたま生徒が増えた」のでしょう。講習の季節でもないのに問い合わせがやたらと多くなったことがありました。

そういうたまたま増えたときは「できる子」も紛れて来てくれたりすることもありましたね。実力テストで学校1番になった子も通っていましたから。

対して、難関校に合格できなかったときは生徒数が少ない教室でした。そもそもそういう学校を受験する生徒がいなかったのです。

要するに、塾というのは「できる子が来るような流れを作れるか」がポイントになります。
生徒や保護者には関係のない話ですみません。

だけどこれが現実だったりします。

最近、近所に他県から進出してきた塾ができまして、千葉県での実績はゼロのはずなんですけど「県立上位高校合格に自信あり」とうたっていました。

これは戦略としてうまいなと思います。

だってハッタリを言ってでも「できる子を集めた方が結果を出すのが楽だから」です。

できる子は塾の形態に左右されませんからね。ハッタリでも、できる子さえ来てくれれば結果はついてくるわけです。そしてその後は、その実績を塾の手柄とすればいい。

ただ、ここで注意したいのが、塾で勉強していたのにも関わらずできなかった子達(結果が出なかった)は、その塾にとって「なかったもの」とされやすいということです。

このことは、あまり誰も言いませんね。塾の不合格実績・失敗例とかって塾側からあまり聞いたことがありませんもの。

だから、その「なかったもの」とされてしまった「できなかった子」たちの想いを拾い上げたいと私は考えています。

それに、上手くいった話を掘り下げていくよりも、上手くいかなかった話を掘り下げていった方が塾としては良いものができるのではないかという気もします。

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