「真の個別指導とは~」とかどうでもいい


前回のマニュアルの続きで、個別指導の塾って基本的にマニュアルが大好きだというお話です。

 

個別指導塾って、「真の個別指導とは~」とすぐに語りたくなるようです。

うちの個別指導が本物で、あっちの個別指導は偽者という具合です。

 

大手と言われている個別指導も分裂してできた塾が多く、それぞれが真の個別指導なるものを追究していった結果なのでしょうね。

 

ところで、個別指導にもいろいろな形態があります。

 

生徒1人1人のブースが並んで先生がその間を通る、先生は動かず2人まで見る、完全マンツーマン指導でホワイトボードで教え、講師は担任制、プロ講師などなど。

 

研修でも、講師の姿勢がとか、声のかけかたとかいろいろとうるさく言うわけです。それは本当の個別指導ではないと言わんばかりに。こうして立派なマニュアルが出来上がります。

 

でもこういうのってやっている塾側の人達には重要なことかもしれませんけど、生徒や保護者にとっては「あまり重要ではない」ことなんですよね。

 

どんな指導形態だろうが、講師が変わろうが、姿勢が悪かろうが、「成績が上がらなければしょうがないこと」じゃないですか。

 

なんでみなさんはこのような「個別指導のあり方」を論じるのか考えてみると、おそらく「あそこの個別指導とはここが違う」と言いたいだけなのでしょうね。

 

そこを強調するのは、「他に違いがあるわけではない」ということを自分で認めてしまっているからなのかもしれません。たいした差異はないけど、パッケージが変わりました」というような感じです。

 

こういうわずかな差異を強調するのが、最近の傾向ですよ。実際にはいらないモノまで作って大量生産大量消費。

 

ということはそのうち、「フェアトレード」「○%募金」「リサイクル」などの塾が出てくるかもしれませんね。消費者の良心に訴えるようなケースです。

 

ともあれ、個別指導の塾ってそういうマニュアル的な話が大好きです。

 

成績が上がらないのは、「講師が横につきっきりじゃないからだ」「完全オーダーメイドカリキュラムじゃないからだ」とでも言うのでしょうか。

 

そういう風に少しずつ論点をずらしながらたくさんの会社が個別指導部門を作りました。今では一駅にいくつも個別指導の塾があります。