これまでの復習です。
集団指導塾で脱落して個別指導に回っても、集団と個別の併用するなど何か特別な手を使わない限りほとんど成功しないということを前回指摘しました。
結局、個別指導という授業システムで成功しているほとんどの生徒は、集団でもついていける生徒だったのです。
僕が大手の個別指導を辞める頃に、「個別指導の授業を予習型の授業システムにしよう」という話が出ていました。
これなどは成績優秀者に合わせた改革ですよね。個別指導の現状がわかっていないんだなとそのとき感じたのを今でも覚えています。
個別指導に通っている生徒のほとんどが、集団でも個別でも結果がでにくい生徒達だという認識をもっているのでしょうか。
1週間に1科目宿題つきではどうすることもできない生徒が半分以上くらい個別指導に通っています。毎年、受験結果や偏差値推移などをみてみても、そのことは明らかでした。
ほぼぶっつけで受験する中3最初の模擬試験の結果で、偏差値50以上取れる生徒は個別指導でも成績が上がっていきます。つまり、塾に左右されない生徒達です。これに対して、偏差値40前後の子達は、最後までそのまま推移することが多いんです。
半数以上が偏差値40前後(35~45ぐらい)の生徒ですから、むしろこのボリューム層をなんとかしなければいけません。
僕が個別で働いていたときには、どうにかそういう個別指導塾に通うだけでは厳しい生徒達をなんとかできないかと、あれこれ思考錯誤してやってきました。
しかしそれを一律のサービスを目指すコンビニ型個別指導塾でやってしまうと、過剰サービスと判定されてしまいます。となりの駅のコンビニ塾ではやっていないぞとなってしまいますからね。だったら会社全体でやってくれればいいのですが、前述の予習型授業のように、どうやら自分とは現状認識が違うらしい。
「個別授業システムでは学力下位層を救うのは難しい」ということを自覚できるかが個別指導やる上では欠かせないことです。
しかし、塾に左右されないような学力上位層の生徒でうまくいっているやり方(予習型授業など)にどうしても意識が向いてしまうようです。
個別指導で成績が上がっている生徒はどんなやり方をしてるんだ?
と問いかけ、
だったらそのやり方でみんながやればいいじゃないかという思考に陥ってしまうのです。
こうして個別指導自体のシステムの瑕疵に、運営している人達すら気が付かないのです。
ましてや塾を探している生徒や保護者の方達がわかるはずがありませんよね。
ところで「集団指導よりも個別指導の方がわかりやすい」とよく聞きますけど、この点についてもっと掘り下げて考えてみます。
たとえ話をしてみます。
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