今日から少しずつ千葉県の公立入試の出題について書いていきたいと思います。
最初は漢字です。
平成27年度の出題では、漢字の正答率がやや低めでした。50%以下の正答率だった漢字は以下の通りでした。
前期
「琴線」の読み…正答率44.2%
「進捗」の読み…正答率21.6%
「熟達」の書き…正答率49.9%
「風物詩」の書き…正答率39.3%
後期
「精算」の書き…正答率46%
「大器晩成」の書き…42.3%
他の年度で正答率が50%以下のものは・・・
「折衷」の読み…45.5%(23年後期)
「救急」の書き…47.6%(23年後期)
「朗らか」の書き…46.4%(23年後期)
「粉骨」の書き…50%(23年後期)
「批准」の読み…46.8%(23年前期)
「承る」の書き…42.6%(23年前期)
「一朝一夕」の書き…28.9%(23年前期)
「散策」の書き…38.6%(24年後期)
「勇んで」の書き…41.4%(24年後期)
「遵守」の読み…23.6%(24年後期)
「廃れる」の読み…48.5%(24年後期)
「委嘱」の読み…32.6%(24年後期)
「針小棒大」の書き…30.3%(24年前期)
「裁ちばさみ」の書き…31.8%(24年前期)
「復旧」の読み…41.7%(24年前期)
「秀逸」の読み…39.4%(24年前期)
「刷新」の書き…22.5%(25年後期)
「公明正大」の書き…9.1%(25年後期)
「有頂天」の書き…19.8%(25年前期)
「慶弔」の読み…19.2%(26年前期)
「集大成」の書き…31.4%(26年前期)
「展望」の書き…45.2%(26年後期)
千葉県入試の漢字読み対策→中学校の教科書が最強(もしくは学校で配られている漢字ワーク)
読みは、中学生が日常あまり使わないような漢字の熟語が出てきていますね。折衷、批准、慶弔、進捗などです。
一般的に漢字専用の教材などでは「出る順」になっていることが多いです。そうすると、ちょっとなじみのないような漢字は載っていないこともあります。塾にある教材で調べてみましたが、全てを網羅している漢字教材はありませんでした。
しかし、ありました。かなりの部分でカバーできている教材が。それは学校の教科書です。灯台下暗し。教科書が全ての基本なんですね。
これは学校の教科書、教育出版「伝え合う言葉 中学国語3」の中にある漢字練習のページです(P237)。過去に出題された「批准」「遵守」が載っています。
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また、今年の最難度(正答率21.6%)の漢字「進捗」の読みは、教育出版「伝え合う言葉 中学国語2」の中にある漢字練習のページに載っていました(P241)。
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こうした学校の教科書の漢字は、学校で「漢字ワーク」として配られ、小テストで学校で実施されていることも多いです。特に漢字の読みに関しては、学校の教科書順にマスターしていくのが近道です。下手に他の教材に手を出しても、難度の高い漢字がカバーできないこともありますよ。
書き→三字熟語、四字熟語、意味で推測する熟語。小学校で書く漢字の組み合わせで解ける!小学生が語彙力をつける教材がオススメ!
一方、漢字の書きはどうかというと、どちらかというと小学生の漢字でつくられる熟語が出されています。
今年正答率が39.3%と低かった「風物詩」などは、漢字それぞれでみると「風」は小学2年生、「物」は小学3年生、「詩」は小学3年生です。
知っている漢字なのにみんな書けなかったのです。これは漢字力というより「語彙力」をつけないといけませんね。書いて練習するというより、知っている言葉を増やしていったほうが近道かもしれませんね。
したがって、学校の教科書漢字以外に漢字対策する場合には、小学生が語彙力をつけるような教材をセレクトしましょう。教室にあった教材の中で、カバー率の高かったのは、『小学3年生から始めたい! 語彙力アップ1300 1小学校基礎レベル』です。「風物詩」「刷新」「朗らか」などが載っていました。
↓②風物詩
以上のように、ただ漢字を取り上げてもこれだけ語れるのですから、入試問題は奥が深いですね。
塾で「漢字の問題が取れていないね。毎日、漢字の練習をしよう。」というようなアドバイスはもはや時代遅れなのかもしれません。皆さんには、もう一歩踏み込んで漢字練習してほしいと思います。
というのも、千葉県では、国語の平均点が低いからなんです。前期後期制が始まってから、23年前期、24年後期、25年前期は5教科で最も平均点が低い科目になっています。今年の前期も40点台の平均点でした。
このように難度が上がり消耗戦になった場合、漢字で得点できれば、大きく崩れずに戦えると思います。頑張ってください。
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