先日、Vもぎの進学研究会の説明会が行われました。そこでは、千葉県の前期・後期制度は今後変わるのかということが説明され、平成27年の受検者のアンケート結果が配られました。
Q1 前期選抜を受検しましたか?
A.はい→約7800人
Q2 その学校・学科は、後期選抜でも受験する予定でいましたか?
A.はい→約5500人
A.いいえ+前期の結果次第→約2300人
Q3 後期選抜を受検しましたか?
A.いいえ→約4500人(うち約4400人は前期合格したため受検しなかった)
A.はい→約3100人
Q4 後期選抜では前期選抜と同じ学校・学科を受検した
A.はい→約1900人
A.いいえ→約1200人
このアンケートの結果をみると、前期・後期と同じ学校を当初から受験する予定で、しかも受検した人が多いように感じます。
ならば前期・後期と受検機会を一本化すればいいんじゃないのと思います。高校の先生たちも、一本化を希望する割合が高いのですし。
しかし塾の現場の印象としては、前期と後期で受検校を変えようとする生徒はもっと多いように感じています。
一本化をためらっているのは、やはり生徒やその保護者の方なんでしょうね。
Q2では当初から前期と後期で同じ学校を受検しようと考えていた生徒がかなり多いです。7800人中5500人。
対して、違う学校を当初から検討していたのは2300人。
この数は、実際の後期受検者3100人(Q3)で見ると、3100人中2300人が後期で違う学校を考えていたともみることができます。塾の現場の感覚でいうと、この割合に近い感じがします。
というのも、当初から違う学校を受けようと考えていた生徒は、前期受検で合格しない割合が高いからです。
チャレンジ受験だからこそ、最初から違う学校を受けようと考えていて、前期の結果次第で変えようと考えているはずだからです。
ですから当初から異なる学校を考えていた人は、後期受検(3100人)に回った可能性が高く、そうすると3100人中2300人が後期で違う学校を考えていたともみることができるのです。
これは割合にすると後期受検者の70%以上が前期後期別の学校を選択しようと考えていたことになりますから、制度を一本化することに踏み切れない大きな理由になっているのではないでしょうか。
ところで、この後期受検者の70%の生徒(当初から違う学校を受けようと考えていた)は、どうしてもその学校に入りたいという気持ちを受検当初からもつことができなかったともみることができます。
自分で目標をしっかりと立てて最後まで勉強することができる生徒の割合が高くなってくれば、受験制度の一本化はより早まることになるのでしょう。こうしてみると塾屋の責任は大きいのかもしれません。
なお、一本化した方が、第一志望校に入りやすくなるのはいうまでもありません。1回の試験における、合格者数が増えるので倍率は当然緩やかになりますからね。
進学研究会の説明会でも、指摘されていたのですけど
100人定員で200人受験する場合、
1回試験だと、
定員100名に対して200人受験するので倍率は2倍
で済むところ
2回試験だと
前期60人定員に対して200人受検なので倍率は3.33倍。140人不合格
後期40人定員に対して、前期不合格者140人受検なので倍率は3.5倍。100人不合格。
最終的な不合格者数は同じなんですけど、倍率は2回試験する方が高くなってますね。
そのため1回の試験であれば受かるはずの子が、2回試験になったことで、最終的には合格するのに1度落ちてしまうことになります。
また、実際は2回試験だと、1回試験であれば受かっていた子が、後期試験で受験しないことも起こりえますね。
このように、あまり良いことがない前期・後期制度です。
しかし、2回試験やっても結果的に不合格になる生徒たちに支持されているのが前期・後期制なんですよ。
あまり勉強してこなかったから、後期では別の学校に動きたい。前期試験は記念受検になってもいい。1回でも受検できれば、これまでの勉強も無駄にならない気もするし、受検した事実自体は残るので。
ほんとのところはそういうことなのだろうと思います。
かまなびでは、そういう思考にならないように、受験勉強期間は「前期・後期は同じ学校を統一して受けるもの」という指導をできるだけしています。記念受検はできるだけして欲しくないからです。
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