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大手塾のように「大勢の人に選ばれて認められている塾は良い」という点について、先日、同業の方より意見を求められたので、今日はそのことについて書いてみます。
僕は大手で働いていたとき「生徒数の少ない教室」から「生徒数100人ぐらいの教室」の運営しました。
1人あたりの受けるサービスで考えると、生徒が少ない教室の方が生徒の満足度は高かったんじゃないかなと感じてます。
というのも、教室の大きさは同じくらいだったので、100人くらいの教室になってしまうと、早く帰宅してくれないと回らないということはあったからです。人数の多い教室では、連日、授業後の生徒を追い出すことばかりしていましたよ。
教室を広くして、働く人数増やせばいいじゃないかとも思いますけど、働く人数が増えると今度はトータルで生徒のことを把握する人がいなくなってしまいます。
教える人(科目ごとに分かれます)、成績を管理する人、授業を売る人など仕事が分散しますから、抜けが出てしまうこともあります。野球で言えば、簡単なフライでも誰が責任持って仕事をすればいいのかわからなくなってしまうような状態です。
ですから、たくさんの生徒や保護者に選ばれてるからといって、これから通うのに良い塾だとは言い切れないでしょう。
ここまでは生徒が多い塾は、サービスの質が落ちるよという話でした。
さらに進んで「生徒が増えたんだから良い塾だ」というのも、あまり賛成できません。
立地条件などの良しあしで生徒が増減するからです。
僕が何教室かやったときも、引っ越してくる人が多い新興住宅地の方が生徒が増えました。
そもそも人口の少ない地域で塾をやられている先生方の塾は、生徒が少ないので悪い塾になってしまうのでしょうか。
例えば、沖縄で塾をやられていた「ひとりで学べる」シリーズの仲松庸次先生など、地方に素晴らしい先生がやっている塾だってあるでしょう。
あと、気を付けたいのが、チェーン展開している塾です。コンビニ塾がその筆頭です。
こういう塾の場合、教室数が多くて生徒数が多いというだけのこともあります。合格実績もグループ全体で出しているので、1つの教室で考えたら、個人経営の小商い塾と大差ないこともあります。
このように、大勢の生徒・保護者に選ばれてるといっても、立地条件が大きく関係していますし、生徒数が多いとサービスの質は落ちますし、教室数が多いだけで生徒・保護者に選ばれているとまで言えないことがあるのです。
塾の良し悪し、塾選びは、自分で判断するしかありません。実際に通っている人から聞いてみたり、面談や体験をしてみるしかないでしょう。大勢が通っているからという理由だけで選んでしまうと失敗してしまうことの方が案外多いかもしれませんよ。
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同業の者 (土曜日, 18 6月 2016 13:44)
ありがとうございます。大手になればなるほど安定したサービスがうけられますが、株主、取締役、コンサル、地区責任者、事務員などに利益分配するために効果の割に値段が高くなってしまうのだと思います。個人塾は塾長と従業員だけでよいのですから。