為末大『諦める力』


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以前から読みたかったメダリスト為末さんの『諦める力」を読みました。

 

「諦める」と聞くとマイナスイメージに聞こえてしまいますが、為末さんは積極的・戦略的な「諦め」もあることを教えてくれます。

 

それは「勝ちやすい」ところを見極めることでもあります。

 

僕も大手の塾で働いていたときに「このルールでやるのは限界だ」と諦めて「かまなび式」を始めました。

 

大手の塾で「授業の販売」を競っても正直者の僕は勝てるわありません。

 

だって「こんなに授業買っても無駄ですよ」と生徒や保護者に言ってしまいますからね。

 

かといって、塾同士の争いでいっても底が見えてしまった。なんだ大手と言っても他の塾とたいして変わらないだけじゃないか。違うのは値段ぐらいじゃないかと。

 

むしろ、このやり方では無理ですよ、限界ありますよとブログで発信していった方が、この業界では優位に立てそうだと思ってしまった。

 

 

もちろんビジネス的に勝てるとかそういうことではないですよ。教室数、合格者数、売上など多くの点では負けています。

 

しかし、そういうところの勝負って意味ないだろ?とは、突っ込めますよね。

 

「その勝ちって価値ある?」と。

 

 

為末さんも書いていましたけど、勝ち負けの基準は自分で決めるものです。

 

自分で「その勝ち価値なし」とか「この勝ちに価値あり」と決めてしまえばいいんです。その価値に共感してくれる人たちもいますしね。

 

 

そもそも他人の評価を気にしていると際限ないですから。他人の評価って、ボーナス査定とか生徒数とか売り上げとか。会社が出したわかりやすい指標などのことです。

 

そういうことばかり気にしている人たちも塾屋続かなくて結構辞めてましたよ。

 

もしかすると、諦めない人は欲求不満ということが言えるかもしれません。自分で価値基準を決められないから諦められない。クリアが到底不可能なものにいつまでもグズグズしているので。

 

 

 

為末さん曰く「何一つ諦めないということは立ち止まっていることに等しい」とのことです。

 

為末さんの競技人生後の道の選び方も書かれていました。

 

スポーツキャスターが脚光を浴びやすいが、競争が激しいので諦めて、メダリストではあまりいない「スポーツ社会学」の道に進んだようです。

 

受験や就活でも、競争が激しいところを避けるということってあまり教えないですよね。競争に消耗して終わってしまう人たちもたくさんいます。

 

自分の勝てるフィールドを求めて「戦略的に諦めること」という選択だってあっていいはずだと思います。そういうことを含めて進路指導できるようになりたいなと最近特に思うようになっています。

 

どの道に進んだら正解かなんて、そもそもわからないじゃないですか。わかったふりしているだけですよ。

 

 

『諦める力』には、この他にも参考になることがたくさん書かれていたので、少しずつここでも取り上げていきたいと思ってます。

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