塾に通う非効率③→分業制


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塾に通うと、いろいろな科目の授業を受けると思います。

 

そうすると担当科目ごとに先生が変わります。

 

数学はA先生、英語はB先生、国語はC先生・・・。

 

科目を分業すると、先生の得意科目を習うことができるので、それだけレベルの高い授業が受けられるのでしょう。

 

しかし、トータルで把握して調整する人がいなくなるという問題が起きます。

 

1人の生徒のことで担当講師が集まって打ち合わせすればいいんですけど、それはそれで手間ですよ。大手の個別指導時代ではほとんどできませんでしたね。

 

講師会議を開いて何度か打ち合わせの機会を設けたことありますけど、その会議に講師が全員集まれるかというと現実的には難しい状況でした。

 

 

そういうわけで、書面上記録を残して引き継ぎや連携をとろうとします。

 

もちろん同じ科目では引き継ぎを読みますよ。

 

数学でA講師が教えた後を、B講師が引き継ぐ場合があるからです。

 

こうしておけば講師がコロコロ変わる場合にも引き継げます。

 

 

 

しかし、科目を越えてしまうとほぼ連携はできなくなります。

 

たとえば、「数学は伸び率が悪くなってきたので、英語の学習比率をあげていこう」とか、そういう科目を越えた連携がほとんどないのです。

 

 

 

このように講師間ではちょっと連携がしづらいので、教室長やカンフェリーというポジションを置くことがあります。

 

 

 

でもこの人達は授業を販売することもしないといけないので、そっちの業務で忙しくしていますし、そもそも授業を担当しているわけではないので、ほんとのその生徒の状況はわからなかったりしますね(アドバイスしていたとしても点数や偏差値での一般論の場合が多いはずです)。

 

 

 

自分も教室長時代にこのポジションで働いていましたけど、教えているわけではない生徒のことを把握するのってほんと難しいと痛感しました。

 

生徒のテストの答案などをじっくりみて、細かく分析しないと具体的なアドバイスなんてほとんどできないんですね。

 

 

 

分業すると、確かに大勢の生徒をみることができるのでしょう。

 

でも、生徒のことをしっかりと把握してアドバイスしたりフォローするには実はかなり非効率なんですよね。

 

前述のように記録を残したり、打ち合わせしたり、実際に授業を担当していない者がアドバイスしたりと、かえって効率が悪くなっている気がします。

 

 

 

だったら、最初から極力分業はしないで、しっかりと把握できる生徒の人数でやった方がはるかに効率がいい。

 

 

 

そもそも受験って合計点勝負でしょう。だとすれば、生徒に必要なのは全体的な学習フォローなんですよ。

 

 

 

分業は、このような全体フォローとは逆の作業なんですね。

 

1人でやった方が本来効率のいい作業を、細切れにしてしまうんですから。

 

それだと困るから連携しようとするんですけど、だったら最初から分業なんかしなければいいのに。

 

 

 

順序が逆なんです。

 

 

分業した方が学習効率がいいから分業しているんじゃなくて、本来めんどうをみれない人数や内容を無理にめんどう見ることになってしまったので結果的に分業になってしまった。

 

学習効率が悪くなったので、連携できるようなシステムをつくったと考えた方がいいんです。

 

 

 

 

そもそもは学習効率を考えたら不要だったはずのことなんです。

 

「本部連携システムやマニュアルがあるから安心できる」みたいなことを大手の塾が言うことがありますね。

 

 

しかし、勝手に学習効率を悪くしておいて、その落とした効率をシステムやマニュアルで元に戻しましたってアピールされても・・・。

 

 

 

それに「元に戻った」というのも正確ではないんですね。

 

元に戻すまでのコストが勘定されていないからです。

 

元に戻すまでには、「時間も費用(人件費など)」も実際にはかかっているんです。

 

 

これらのコストは通塾費用に反映されやすいですね。

 

システム維持費とか諸費用という名称になってるかもしれませんし、授業料に上乗せされているかもしれません。

 

 

もし、それが通塾費用とかに反映されていないとすれば、働いている人達がサービス残業させられている場合もあります。

 

 

物作りでは分業したが効率がいいということもあるかもしれませんけど、塾業界では分業ってとても非効率なんですよ。金も時間もかかってしかも学習効果も低いという。

 

これは、大手の塾から独立してみてとても日々実感していることなんです。

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