節分が近づいていて、恵方巻がコンビニで予約を受け付けているようです。
この恵方巻に関して、コンビニで働いているアルバイトの人たちに予約ノルマがあるということでテレビで問題になっていました。
僕もコンビニで働いていたとき、10年以上前だったでしょうか、関東でも恵方巻を売り出した頃にアルバイト間で予約数を競っていたことがありました。
僕は結構成績良くて、店内で2位くらいになって喜んでいました。
友人、家族、親戚、他のバイト先の同僚などに声をかけて、節分当日にみんなに配り歩いた記憶があります。
あの当時は、他のコンビニなどで恵方巻を売っていなかったので、知り合いに声をかければ予約になることもありました。
でも今はどこのコンビニでも売っているので予約ノルマを課せられたらきついですよ。
どこにでもあるものを予約してまで買うということに無理があります。
そこでしか買えないものを本来予約して買うのでしょう。
ところで塾業界でも同じようなことが起きています。
どこにでもあるコンビニ系の塾では、生徒数を競い、授業の販売数を競っています。
僕が働いていた大手コンビニ系の個別指導塾では、生徒数ランキング、講習の申込数ランキングが定期的にメールで送られてきていました。
競わされている側からすれば、どこにでもあるものを競って売るのは限界があるだろと思っていました。
そういったランキングは、外部的な要因(教室の大きさ、立地条件、他塾の競合具合など)がかなり大きく影響します。営業努力がどこまで影響しているのかよくわからないのです。
営業努力はできるだけやった方がいいでしょう。しかし、営業努力の反対に「過剰サービス」ということがあります。
コンビニ塾では、同じサービスを同じようにやらないといけません。
つまり営業努力しすぎると、どこかから同じ看板のコンビニ塾と内容が違ってきてしまう。むしろそのことの方が問題です。
例えば、塾の授業を売っても成績が伸びないやと、ある教室の塾長が気が付きます。
それで、授業外のサービスで成績を上げてしまったら大変なのです。あくまで授業を売って、その成果で成績を上げないといけない。あくまでコンビニ塾のサービスの枠内でなんとかしないといけないのです。
そうすると、おかしなことに気が付きます。
コンビニ塾の中で差をつけようとする活動、つまり、差別化して成績を上げ、生徒を集めようとする活動自体が否定されてしまうのです。
コンビニ塾でのランキングで上に立とうとしようとする活動ができない、制限されている中で、ランキングを競っていくのです。
そんなの無理だろうというのが、僕がコンビニ塾で働いていた感想です。
もうそんなランキングは運がいいか、悪いかの差でしかない。
いわば、ババをひいたか引かなかったかの差なんです。
僕も雇われ塾長時代は、講師の名前を書いて「講習誘導率」のグラフを控室に貼り付けたこともありました。入社して間もないころです。単純に競争することを目的に仕事をしていたこともありました。
今から考えればバカげたことに時間を割いていたなぁと思います。
そういう活動って他の塾との差別化にすらなりませんし(どんな阿呆な塾でも思いつくこと)、いずれは働いている人達もつまらなくさせてしまうんですよね。
だって努力しても結果があまり変わらないんですもん。ババ抜きを永遠とやっているようなイメージです。
コンビニ塾で働くのもつまらなくなってますけど、コンビニのアルバイトもつまらなくなってきているのでしょう。
コンビニで働きたい人がいなくなったらまともな営業すらできなくなるんですけど、その辺りのことは経営者の人たちはわかっているのでしょうか。優秀なアルバイターはスタバとかに流れてしまうと思いますよ。
コンビニ塾でも同じことになっていますから心配です。
宅配便業者さんも販売ノルマがあるみたいで、お花を買ってほしいと頼まれて購入したアマリリス↓宅配業者さんも荷物運ぶだけではないみたいですよ。
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