幕張総合高校の前期選抜の選抜方法が公平ではなかったとの報道がありました。
毎日新聞の記事
特色化選抜の名残である前期選抜制度ですから、「不透明な選抜基準」であることは以前から指摘されていることです。
かまなびの幕張総合高校の高校レポートでも「実技でA評価」を狙う方がいいと指摘していました。
参考資料になるのがコチラの「まくそうの風」です。
(引用P14) |
第一に「文武両道」の「文」では、最高峰の東大を目指し、「武」では各部が「甲子園」に象徴される最高峰の全国大会に出場し、入賞を目指すことである。第二に部活動で培った力を学習面で最大限に生かして、悔いのない個々の進路実現に役立てることが真の「文武両道」だと考えた。 |
現在の校長先生ではありませんけど、これまでの幕総の流れを汲んでいるとすれば、今回の不公平な選抜方法も以前からやっていたのであろうと推測できます。
引用個所のサブタイトルが「東大が先か、甲子園が先か」となっているように、とにかく幕総は勉強とスポーツで「ずば抜けた才がある子」達に来てほしいということなんですよ。
だって高校3年間だけで全国レベルにするにはかなりの才がある子じゃないと厳しいでしょう。
実際に幕総は学力テスト上位20%の子達は、内申点など関係なく入学できるとされていますね。
このスポーツ版です。スポーツ能力上位20%は、なるべく学力に関係なく入学させたい。そういうことなんでしょう。
対して「スピーチでの自己表現」でA評価ってどういうことなんでしょうか。
ルックスや演技能力をみるオーディションやコンテストじゃあるまいし。芸能人はこの枠で入れるのかな。演技力がトップクラスだからという理由で。
以上の幕張総合高校が入試の選抜でやっていることって、他の高校でも同じようなことが行われているのではないでしょうか。
「2日目の検査で最大100点つけます」みたいに公表している学校があるように、幕張総合高校との差は事前に「公表していたか、していなかった」ということでしかないのです。事前に公表していない不公平な試験など探せばいくらでもあるんじゃないかな。結局入試って入ってほしい人に有利になるようになっているものなんですから。
そもそも千葉県の県立高校の前期選抜はそういう試験なんです。
学校が来てほしい期待する生徒を受からせるための制度なのです。
以前、千葉の入試担当の方の説明を聞く機会があったのですけど、この手のクレームは毎年出てくるのだそうです。
「前期入試の不透明性(入試の得点が悪くても合格してしまうなどの不透明さ)」に関してです。
そのとき話していたのですが、2日目の検査で「部活点20000点」としても事前に公表しているなら全く問題ないのだそうです。
中学での活動を総合的に評価するという千葉県の入試制度の原点から考えると、そういう高校があってもいいということなのだそうです。
極端に「テストの点だけで決めます」とするでしょう。
これも公平かというと、ちょっと悩んでしまう。
例えば、学校で授業妨害するぐらい騒いでいるのだけど、塾に通って点数を取る子がいますね。そういう子が高校に入りやすくなったらどうでしょう。まじめにやっていて、塾にも通えない子からすれば、それは不公平だ。ということになってしまう。
また部活動に専念して塾に通えないぐらいやり込んでいる生徒がいたとします。その子は勉強する時間も取れないぐらい練習している。部活以外にも放課後にお金を出してトレーニングしている。その子はその競技で千葉県トップクラスです。しかし、学校では疲れて授業中に居眠りをしてしまうので成績はあまりよくない。でも設備も整っている幕張総合高校に通いたいが、勉強はできないので入れない。これもその子にしてみたら、「勉強だけやっていればいい人たちとテストだけで勝負するのは不公平」と感じるはずでしょう。
何を言いたいかと言うと、「結局どこかで線を引くしかない」ということなんです。
しかも、その線の引き方は「恣意的にされる」場合がありうるということ。
だって高校が来てほしい人たちが入れるように線を引くのは当然だからです。
「公」教育なのにおかしいと言う人がいるかもしれませんけど、では「公」務員試験は本当に公平に実施されているのでしょうか。事前に全ての選抜基準を公表するなんてことがありえるのでしょうか。「あいつは頭は良いかもしれないけど、一緒に仕事したくないな」とか「あの人は笑顔が素敵だから職場が明るくなりそう」とかそういうよくわからない部分が影響したりすることはあると思います。
だから「線引き」自体に公平もクソもないんですよ。
ここからここが当たりで、ここからここがはずれと誰かが決めただけ。
昔の競馬は単勝、すなわち「1着が当たり」でした。これが現代の競馬だと「3着までが当たり」です。いずれ5着までが当たりになるかもしれない。
競馬を例にするのは不謹慎かもしれませんけど、それくらい「線引き」は曖昧だしあてにならないということを言いたいのです。
受験とか採用試験などは、誰かが決めた「線引き」に従わないといけないんです。その線引きが公平かどうかなんてわからない。
圧倒的に受験者の方が不利ですよ。それが嫌だったら、そういう競争からは降りた方がいいです。これからずっとそういう競争が待っているからです。
しかしそれは裏を返せば、それぐらい「くだらないこと」だとも僕は思ってます。
もちろん入れなかったら悔しいですよ。あんなに努力したのにって。お金も塾にあれほどかけたのに。
文句の1つぐらい言いたくなります。
でも「くだらない線引きでダメだっただけだ」って考えれば、前向きにやっていけるでしょう?多くの人がそう思うようになれば、子ども達もダメだったときに気が楽になるんじゃないかと思いますけど。
どの道に進んでもあなたはかけがえのないあなたです。新しい道での活躍を期待しています。
「合格が目標じゃない。スタートだ。」というのを、単なる塾の合格退会阻止文句で終わらせてはいけない。採用者が一方的に決めた線引きで不利になる人たちからすれば入試制度はいつだって不公平。そこで結果を出すことをゴールと設定してしまうと、やってられないよねというのがホントのところ。
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