★2018年3月11日追記しました
千葉県の場合、ほとんどの公立中学生の進学先が決まりました。
ようやく終わった!とホッしている人達も多い頃だと思います。
ところで、2016年から始まった「入学定員の厳格化」という話をご存知でしょうか。これは一定の基準よりも多く学生を入学させると国から大学への補助金が不交付になる制度で、この影響で、大学受験の合格者が少なくなっているのです。
また、以前の記事で「日大合格率ランキング・千葉県高校編」「千葉県の中堅高校における日大・東洋大レベルの大学にどれぐらい合格できるのか」にを書きましたけど、日大や東洋などの中堅私立大も合格は困難になっているというデータもあります。
つまり、新高校生たちが考えているより大学受験が厳しくなっているんですね。
高校受験ぐらいに考えていたらまずいですよ。高校3年生の夏から勉強すればいいやみたいな感じで。
受検が終わってあまり勉強の話を聞きたくないという気持ちもわかりますが、しばしお付き合いください。
結論から言いますと、高校1年生のうちは「指定校推薦入試」「公募制推薦入試」「AO入試」など「一般入試以外」の進学準備をした方がいいというのが僕の考えです。
言い換えると
「一般受験しかない」という状況に、いかに追い込まれずに準備できるか 、 です。
これが一般受験が難化している状況ではベストの選択なのではないでしょうか。
だって、人気の大学だったら浪人生の受験も大学受験ではありますからね。現役生達は、現役の強みを活かした方がいいからです。一般受験になってしまうと、浪人生の方が勉強の方法も知っていますし、勉強してきた量もなかなか勝てないでしょう。
そうすると高校の成績がまず大事。
そこで成績を出して、指定校推薦など学校の成績が影響しそうな受験でアドバンテージを取るべきだと考えます。最初から浪人生と戦おうと考えないことです。できるだけ一般受験にならないような可能性を残すように高校生活前半を過ごして欲しいです。
そういうわけで、塾に通わないにしても、新高校生は気を抜きすぎないで欲しいのです。
そうすると、ある程度勉強の環境は整えておくのがベストです。あとでわからなくなってから手を打つのではなくて、あらかじめ高校の勉強で困らないように手を打っておく。
では、どのような学習環境が最適なのでしょうか。それを今回は考えてみたいと思います。
高校前半は、あまりお金をかけずにやったほうがいいと思います。予備校や塾のお金は一般受験するとなってからにとっておきたいですからね。そうすると、低価格の映像授業スタディサプリとか、教科書ガイドを揃えるとか、進研ゼミなどの通信教材もいいですね。
先日書店に行ってきました。鎌ケ谷高校の使用教科書がわかったので、教科書ガイドなど売っているか見てきたのです。
学習環境①
教科書ガイドなど市販教材を揃える
値段は結構高いですよ。1冊2000円くらいしました。全部揃えようとしたら1万円を超えてしまいました。
英語の教科書によってはガイドがない場合もありました。たとえば県立船橋は入学前の宿題で英語の教科書予習が出るのですけど(2017年度)、教科書ガイドは売られていない教科書でした。
教科書ガイドの読みやすさですけど、あまり編集に力を入れていない印象なので、ちょっと読みにくいかもしれません。
ですから、これらガイドと併せて市販の「わかりやすい教材」をミックスさせた方がよさそうです。
まず数学ですが次の教材がオススメです。
数学の解説をこれまでにないほど丁寧に解説してくれるマセマシリーズ
これを読んで理解できなければ理系進学や国立進学は諦めた方がいいぐらい丁寧に解説が書かれています。こういうタイプの教材を入学前に揃えておいて、予習しておくと良いスタートが切れるんじゃないでしょうか。
英語でもとてもわかりやすい市販教材があります。
英文法などがほんとによくわかるようになる成川英文法シリーズ
「なぜそういう英文法ルールになっているのか」を説明できると、それだけ丸暗記が少なくなります。オススメの英語教材です。英語があまり好きではない理由が「覚えることが多いから」という人は、世界観が変わるかもしれませんよ。
このように使える市販教材を集めて学習環境を作ることもできます。
ただ、教材を集める手間や、教科書ガイドと同様に集められない科目も出てきます。
あとはどこから手をつけたら良いかわからないという悩みも出てきます。
コストとしてはあまりかからない方法なのですけど、高校受験を終わったばかりの新高校生が自分で教材をセレクトしに書店に出向くという光景はあまり想像できない・・・。
Amazonで買って「はいプレゼント!」みたいにやっても、自分で選んでいないので使わなかったりもあるかもしれませんし・・・。
教科書ガイドなど市販教材まとめ
●使える市販教材は多い
●教材を自分でセレクトする手間がかかる
●全て揃えることができるわけではない(特に英語の教科書準拠教材、理社系の科目など)
●費用もそれなりにかかる(教科書ガイドは高額)
市販教材だとめんどくさい、ということで最適な教材をセレクトして送ってくれる進研ゼミはどうかということで、高校講座を昨年申し込んでみました。鎌ケ谷高校生として登録してみて対応した教材がどれくらい送られてくるのか調べたのです。
学習環境②
【進研ゼミ】などの通信教材
高1の前半は、大きく分けて3つのタイプの教材が送られてきました。
(1)教科書準拠の冊子
高校の教科書準拠の予習できる冊子が届きました。
前編ということで年に2回届くようです。
なるほどこうしておけば、学校ごとの進度にも対応できるというわけか。
英語では、「教科書の英単語」「教科書の重要英文」の予習を行うことができます。著作権の関係で全文の訳がついていないのですけど、訳すのが難しそうなところだけ解説が丁寧になっています。
「英文法」も教科書順に重要文法が学べるようになっていました。QRコードを撮って動画での解説もついています。
英語の教科書対応サポートBOOK
教科書英語の語句チェックが楽!
教科書文のポイントチェックが楽!
英文法のチェックも楽!
英文法の確認問題もついてる!
国語は、「古典」「漢文」の教科書のところの解説は著作権の問題がないので、全訳で解説がかなり丁寧に作られていました。これはかなり使えそうです。
国語のサポートBOOKがレベル高い!
古典の教科書対応具合が素晴らしい!
古典文法の解説も丁寧
数学は、一般的な内容でした。特に教科書の問題になっているとかそういうわけではないみたいです。教科書に進めていく授業であれば、教科書ガイドとかの方がいいかもしれないです。ただ解説は丁寧でわかりやすく作られています。
数学はサポートBOOK3冊!
(2)毎月の冊子
これは毎月届けられるシリーズみたいです。
週末に1回30分、その月の強化ポイントの学習を進めていくシリーズです。学校の学習は前述(1)の冊子でおさえて、こちらでバランスよく学習していくということのようです。
貯め込まずにやれるかが通信教材のポイントです。小中学生のときにため込んで、ゼミをやめた経験のある人は要注意です。
関連記事:ゼミでズッコケる
(3)定期テスト予想問題
予想問題も送られてきました。嬉しいのは化学や生物、地理などもついてくることです。地理などは特に問題集など書店にあまり売られていないですからね。塾でも非対応の場合が多いです。これは非常に助かります。
●授業の予習・復習しやすい教材が送られてくる
●書店などで必要な教材を探す手間が省ける
●書店や塾でも手に入らない対策教材が手に入る
●ため込まずやれるかどうか
教材を準備するのも面倒、進研ゼミだとため込んでしまうかもしれないという人は、スマホで気が向いたときに学習できるスタディサプリという方法もあります。
英語の関先生など予備校界のプロ講師の授業が月額1000円程度で見放題です。
眺めているだけでも、何もやらないよりはいいと思いますし、プロ講師だけあって授業はわかりやすくて面白いですよ。
HPなどみると高1なら1日20分で難関大学に向けて学習できるとうたわれています。
学習環境③
映像授業「スタディサプリ」
科目のカバー率がやばいです。月額980円でここまで揃えたかというラインナップです。高1から5科目全部見放題です。
どこから見たらいいか悩むかもしれません。最初はつまずきやすい理系科目からみるといいかもしれませんよ。
映像授業の講座数だったら、スタディサプリ以外にもたくさんあります。その中でもスタディサプリがいいと思う理由は講師陣のレベルが高いからです。
東進には負けるかもしれませんけど、東進は高1から始めるには料金が高すぎます。月額980円であることを考えると、最高レベルの講師陣を集めています。多数の書籍も出している講師陣も担当しています。安かろうなのに良かろうです。
紹介動画や書籍でもチェックしてみましょう。神授業が展開されています。
担当講師のレベルが高い
化学担当:坂田薫先生
著書多数出版している大物先生です!
英語担当:関正生 先生
書籍も多数出版!
スタディサプリまとめ
●講座網羅数がやばい
●1日20分でOK
●一流の講師陣
●月額980円は破格の料金
後者の中高一貫校生は、もうすでに高校の内容をスタートしていますからね。速ければ高1の内容がほとんど終わってるなんていう私立高校だってあるはずです。一般受験になってしまったら、そういう猛者たちと競うことになります。
【番外編】別の道を探す
大学進学という道以外も当然考えられます。
高校受験であまり勉強することができなかった子達もいます。
いろいろな理由があります。
親に言われて無理やりやっていたということもあるでしょう。先生や親の前だけやっているフリをしていただけだったと。
「やればできる」と言われながら、いつまでもやれなかった子達です。
このような場合には、戦略的に受験競争からドロップアウトした方がいいかもしれません。
高校受験は、地域の子達で争う、いわば「県大会」でした。しかし、これが大学受験になったら首都圏の人気大学では全国から受験生が集まる「全国大会」になります。
県大会に向けて準備できなかった場合に、全国大会に準備するというのは無理がありませんか。
このような場合には受験ではない将来の進路の準備をした方がいいと僕は考えます。
これは現実逃避ではなくて「戦略的諦め」です。
受験勉強は不向きだった。別の進路で頑張れというアドバイスです。
この「戦略的諦め」は為末大さんの「諦める力」に書いてあった言葉なんですけど、これは受験勉強にもあてはまる考えです。
だって受験勉強には向かないこともあるのです。
「文章を読んで理解することが苦手」「暗記することが苦手」「あまり好きではないことに努力することが苦手」こういう子達にとっては特に。
「文章を読んで理解するのが苦手」について、もっと掘り下げていきましょう。
「文章を読んで認知する能力が高い子」の方が受験では有利だと思います。だから、それが苦手だと、どうしても努力に比例した結果がついてきません。
「勉強あまりしなくても成績が良い子達」に勝てないという経験はありませんか。
これは陸上で言えば、あまり特別なトレーニングしなくても足の速い子みたいなものです。
どんなに練習しても勝てない。
これでは、勉強が相当好きじゃない限り、受験勉強するのは辛くなりますよ。
受験で評価されるのは勉強の結果じゃないですか。過程を見てくれるわけではありません。
それを本人の努力不足としてしまうのは、ちょっと可哀想な気がします。
そういう子の場合には、競争するフィールドを変えてあげた方がいいのではないか。
ではどう将来に向けてフィールドを変えつつ準備すればいいのか。これを1年間ずっと考えていました。
そんなときに1冊の本に出会いました。
この本には、好きなことに限りなく近いところで勝負する方法が書かれています。
自分の好きなことであったら、たとえみんなより能力が劣っていたとしても、自分は楽しいわけですから結果が多少出づらくても問題はないでしょう。
例えば男の子はゲームなどずっとやっているじゃないですか。多少みんなより下手でもやってますね。好きなことだったら結果だけでなく過程も楽しめるからです。
とはいえ、どうすれば限りなく好きなことを仕事にするのかということを、これまで誰も教えてはくれませんでした。
「好きなことを仕事にできるなんて甘い考えは持つな!」という人もいるかもしれません。
ただ、この本でも書かれているように、インターネットが発達してそれが可能になりつつある時代になってきています。
この「バイトやめる学校」の著者の山下陽光さんは、古着のリメイクブランドを立ち上げました。
リメイクという面倒くさい作業だけど、自分は割と好きという勝負ゾーンを見つけました。
以前は東京という「場所」でしか売れなかったんだけど、スマホが普及してどこで仕事してもバンバン売れるようになったのだと言います。
ポイントはまさにここです。
「自分の好きなジャンルの中で、みんなが不満を持っているゾーンを探す。その不満を解消することがインターネットを使って仕事になる」ということ。
ただし気をつけないといけないのは次のことです。
音楽やりたいファッションやりたいという人はごまんといる。好きなことはあるけど、何をやったらいいかわからないという場合は50000位くらいからのスタートだということです。仕事にすらできないとも書かれています。
受験勉強では勝負できなかったけど、実はやりたいことがある。誰にも言われなくても進んでやってしまうようなこと。絵を描いたり、ゲームやったり、なんでもいいです。何か好きなことがあるなら、それを仕事にできないかを今のうちから考えましょう。
どういう方向でいくかが決まれば、進学先の高校で何かアクションを起こせないかも考えてみましょう。文化祭をはじめとして、高校生というポジションでできることが何かあるはずですから。
例えばビジネスコンテストとかもありますからね。こういうところに出場して実績作ってAO入試作戦もありじゃないですか。経営学部などでは、結構評価してくれるんじゃないでしょうか。ビジネスについて考えてたら、「もっと勉強して、あそこの大学で学びたい」となって目覚めることだって、もしかしたら。
ともあれ勉強つまんねーなーと、無計画に遊んでいるのはもったいないと伝えたいだけです!終わり!卒業おめでとう!
本日の総まとめ
↓
現役生は、できるだけ一般受験にならなくてもいいように準備する
(浪人生や中高一貫の私立生との勝負は極力避ける)
↓
学校の成績が重要
↓
入学前に学習環境を揃えておく必要あり
↓
3大学習環境
①教科書ガイドなどの市販教材
ちょっと揃えるのが面倒
②進研ゼミなどの通信教材
必要な教材が送られてくるので楽。
しかしため込む危険有
③スタディサプリなどの映像授業 気軽に始められる。どこでも学習できる。
講師は一流プロ講師
【番外編】好きなことを仕事にする準備をする
・好きなことで、みんなが不満に思っていることが仕事になる。
・インターネットが進化して、好きなことを仕事にできる可能性が出てきた
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