かまなびの小倉です。
あっという間に夏休みが終わってしまいました。受験生達は、模擬試験の結果が返ってくるのを待っているところです。
ところで先日、僕が通っている美容院のオーナーからお手紙が届きました。
「渡欧するので、9月一杯で美容院をやめることになった」という内容のお手紙でした。
何があったの?と思いまして、最後のカットを予約しました。
そうすると、店主のSさん曰く「日本で子育てしたくないから」というのです。
日本で子育てしたくない!?
2人の子どもがSさんにはいるのですが、小学校入学前にヨローッパで子育てしようと考えたのです。
Sさんにとって日本の教育はどこが問題だったのでしょうか。
Sさん自身が日本の義務教育を受けてきて感じたのが、
「同じ思考を持ち、同じように行動する人間を作る教育だ」ということ。
言いかえれば、サラリーマン(OL)を量産するための教育。それは、大量生産、大量消費を支える人達を作りだし、行き過ぎた資本主義の後押しもしていると。
Sさんは、かなり食べ物などの日常的に消費するものについても懐疑の目を向けていました。身体によくないものを子ども達に使わせているのではないか。
そういえば、Sさんの美容院では、シャンプーもお酢で作られた身体への負担の少ないものを使っていました。
そういう感覚は、身体感覚の敏感な人は感じるのでしょうけど、僕もそうですけど鈍い人はなかなか気が付けない。
もしかすると、そういうことに気が付かないように教育されているんじゃないか。Sさんとは髪切ってもらいながら、そういうオカルトちっくな話をよくしました。
悪く言えば、日本の教育は「洗脳教育」。
例えば、ブラック企業問題。
そういう企業でもやっていけるのって、「行き過ぎた部活動」「新卒一括採用」など教育の闇の部分な気がします。
理不尽なことでも「自分の努力が足りない」と考えたりするのって部活動を通して植えつけられますし、
日本の進学レールに乗っていかないと就職しづらい状況など、ブラック企業でも我慢して働かざるを得ない状況があるんだと思います。
部活の行き過ぎた“指導”で命を失った高校生 TBS NEWS https://t.co/38mty8i4Rf
— 木村草太 (@SotaKimura) 2017年8月31日
Sさんが外国で子育てすると聞いてとても驚きましたけど、もしかすると最近はそういう考えのご家庭も多いのかもしれませんね。日本国内だったら田舎で子育てするとか。
日本だと受験勉強で消耗してしまいますしね。首都圏など人口の多い地域なんかは特に。
気が付いたら受験勉強が目的になってますから。高校や大学で何をするかは後回しで。
以前国語の記事で紹介した工藤先生も「早期の受験勉強(小中学生の受験)は弊害が多すぎて、そんなことより本を読みまくった方がいい」というようなことを述べていました。僕もその考えに賛成です。
現在は、やむを得ず受験勉強のフォローしていますけど、できるだけ少ない勉強でこれをクリアさせて、浮いた時間で本を読んだり、他の体験をした方がいいと思っています。
最近の英語重視の流れにも疑問しかありません。国語ができないうちに英語の時間を増やしても仕方がないとさえ思います。
例えば、英単語を覚えても、その意味となる日本語がわからないみたいな笑えない話も起きうるのではないでしょうか。
そうすると英語を英語として理解すればいい。ということになって、それには英語の早期教育が必要になりますね。
しかし、最近の言語研究では、「大多数のバイリンガル」が高度で抽象的な内容を理解できないという報告さえあるのです。
英語教育もそうですけど、あれこれといろいろ考えると日本での子育てって心配なところが多いです。
Sさんのように海外に移住するかは別として、田舎で子育てしたり、国語を強くしていくように仕向けるなり、各ご家庭でなんらかの手を打った方がいいということはありそうだなと感じた夏休み明けでした。
憧れのバイリンガルの実態!?
永井忠孝『英語の害毒』新潮新書、2015、読了。
— takumargo (@takumargo) 2016年12月7日
英語帝国主義に関する本は昨年、施光恒『英語化は愚民化』があり、そちらは出て直ぐに読んだのだけれど、こちらは(私の怠慢から)読んでいなかったので、今更ながら読んでみた次第。
著者はエスキモー語を専門とする言語学者。 pic.twitter.com/Yyo7MwoSeA
実は少なく、大多数のバイリンガルが片方の言語は「会話言語能力」しか持ち合わせていない、つまり高度で抽象的な内容を理解できないというのだ。さらには、どちらの言語も「会話学習能力」止まりの人たちもいて、これをセミリンガルと言うらしい。(続く)
— takumargo (@takumargo) 2016年12月7日
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