ブラックな学習塾の体験談を共有する「塾民地支配祭り」の時間がやってまいりました。
今日ご紹介するのは、中学受験で公立中高一貫校を受験するために合格実績の高い集団塾に入った子どもをもつ「らくれっと」さんの投稿です。
「らくれっと」さんのお子さんは、算数が苦手で模試でも足を引っ張っていたといいます。塾には算数の重点的なフォローをお願いしていましたが、集団指導だったため、個別的なフォローはしてもらえなかったそうです。
それで「塾を辞める」と伝えたところ、塾長が出てきて「辞めたら受かりませんよ!」と脅されたというのです。
こうして週5の塾生活がスタートしました。
この集団塾では宿題の量が半端なく多く、しかもそれがハイレベルの問題です。
それらをこなすには算数の苦手な子どもには負担が大きく、毎晩1時過ぎまで宿題をして寝不足が続いていました。
このままではまずい!と思ったらくれっとさんは、受講科目を減らすことを塾の先生に相談しました。
ところが、苦手科目のフォローなどはしてもらえず、改善されることはなかったのです。
それで、いよいよ退会を決意します。それを塾に伝えたところ、塾長がいよいよ登場します。
塾長も必死です。生徒数が減れば、それはすなわち「塾長の評価が下がる」ことになりますからね。
小倉も大手の学習塾に努めていましたけど、大手の塾になると現場では「合格実績とかあまり気にしない」んですよね。
受かって欲しいのですけど、受かって喜んでくれるのは保護者さんたちだけなんです。それで会社から褒められることってかなり少ない。短期的に給料が上がったり、出世したりとかはほとんど起こらない。
だって、大手だから誰かしら受かるからなんです。宝くじじゃないですけど、どこかの教室では絶対に受かる。
そして合格者の数を会社全体で集計すれば格好がつきます。
大手塾であれば生徒が集まります。その中にはかなり優秀な子もいますから、そういう子たちが合格実績を稼いでくれるのです。
それよりも現場では「生徒数が少ないこと」「授業の販売数や売上が低いこと」の方が大問題です。
確かに、長期的に合格実績の良い教室は生徒が増えるかもしれませんけど、速攻性がないですよね。他の塾だって合格者出てるんですから。
だから、現場では生徒が辞めてしまうことと、授業が売れないことの方が重要になってきます。
会議でつるしあげられます。もしくは、出世競争に負けてしまうとか。
塾長としては、生徒保護者を脅してでもなんとかして引き留めるだけのメリットはあるんです。だから引き留めるのです。
かまなびみたいな小さい塾だとそういうことがないですね(ブラック個人塾はあるのかもしれませんけど)。
ですから、「辞めます」と言われても「じゃあ次の塾で頑張って!」と送り出してあげます。
当たり前ですね。無理に引き留める理由がないからです。
子ども達は、どこで勉強したっていいんですよ。自分に合うと思うやり方でやればいい。
生徒数が減ってしまいますけど、そんな理由で長期的な信用を失うような脅しをかけるのはデメリットでしかないんです。
ところで、信用を失った塾がどうしてるか知っていますか?
学校の前や折込チラシでゴミ(チラシ)を配るんですよ。
そこに書かれた「合格実績」「崇高な塾の理念」「無料」をエサに次のターゲーットを集めます。
志望校に受かりたい、成績が悪すぎて困っている人は、そのゴミを捨てられません。だからゴミ配りを塾はやめられないのです。
考えてみれば、塾ができて何年も経っていてゴミをばらまかなければいけないのって、やるべきことをやっていないからじゃないでしょうか。ゴミを配る前にやるべきことはたくさんあると思います。
うちの塾は、塾ができた2年目以降一度もゴミをばらまいたことないですから。最初に近所の家に自分でポストに入れた範囲でした(そのときでもゴミを入れるなという苦情をもらったこともあります)。
1人1人を大事にフォローしていれば、ちゃんとその人達が次の生徒を連れてきてくれます。ゴミをばらまくお金と時間を今通っている生徒達にかけていくというのが、かまなびスタイルなんです。
もちろん「塾を辞めても駄目だろう」と思うこともありますよ。
でもそのまま続けていって必ず上手くいくなんて口が裂けても言えません。
だって勉強するのは子どもだから。子どもがやらないなら、どこの塾に行っても駄目なのはわかっています。だったら、好きなようにしてもらった方がいい。自分で決断して失敗しても、それはそれで経験になるでしょうし。
最後に「らくれっと」さんが挙げてくれた「集団塾→個別指導塾」という転塾経験から「塾を選ぶ際に気を付けること」をあげて終わりにします。
●一人一人のレベルに合った学習内容、ニーズに柔軟に対応してもらえるシステムかどうか
●成績アップ・志望校合格のために熱心に指導してくれるプロ講師がいるか
●難関校合格実績の看板に惑わされないこと
●たくさん受講しないと合格できませんよという脅し文句にはのらない
●個別指導塾は学生講師が多くいるが、残念な講師に当ると高い授業料が無駄(子どもが質問した問題を15分間くらい解答見ながらずっと考えていて、結局その日には教えてもらえなかった。)
●個別指導塾は質の高い講師が多くいる塾を選ぶこと
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