2023年の受験生メッセージを来年以降につなげるために

得点調査アンケートとともに受験生のメッセージも受け付けていますが、いくつか来年以降の入試についてピックアップしておきたいものがいくつかありましたので紹介します。

●切り替えが大事

●自分が解けない問題は周りも解けないって思い込む

1日目で失敗しても切り替えて諦めないことが大事だという声が多数寄せられました。

 

現在の入試は2日間で行われているので、2日目にひきずらないことが大事です。やってはいけないのが初日の科目の丸付けです。点数が悪ければ落ち込みますし、良くても油断する可能性もあるので初日の丸付けはしない方がいいでしょう。

 

また、自分が解けない問題は他の人も解けないと考えるのは非常に大事なポイントになります。実際に同じくらいの学力の受験生が集まって受験するわけですから、自分が難しいと感じるものは他の人もそう感じているはずですよね。ですから「難しいということ」自体に落ち込む必要は全くないんですね。

 

むしろ「難しい」だから「嬉しい」という見方もあり得るんです。難しいからみんなできない。そうすると「自分ができる問題を全部取れば勝てる」ということだと考える。ケアレスがないか二重にチェックしたりするのも効果的になるはずです。なぜなら「難しい」と落ち込んでしまった人が力を出せなくなり、できる問題まで取れなくなって脱落していくからなんです。

 

今回の入試で難しくて落ち込んでしまった人は、次に来る大学受験ではそうならないよう普段から気持ちを切り替える練習をしておきましょう。それは部活の試合や普段の定期テストや模擬試験でも練習できるはずです。未来の高校受験生たちにもこれは常に意識しておいて欲しいことだと思います。

 


●中3の秋まで入試の実感がなく、わかっていなかった。やはり早めに準備して学校見学し、目標を定めた上で頑張るのが大切だと思う。結果的に公立に入れたが、、もっと通いやすい学校に行きたかった。タブレットの扱いも学校によって違い、自費で買い取りになるなら欲しい機種を使っている学校が良かった(そこまで調べていなかった。つっこんで聞かないと公表もされていない)。

 これも切実な声だと思います。自分の進路なんですけど、なんとなく受験期間を過ごしてしまう受験生も多いと思います。この受験生の声のように、実際に通うことになって考えてみたら、交通の便や設備面で他にもっと違う選択肢もあったんじゃないかと。しかし、直前では難易度高めの志望校に変えることもできない。そうすると逆算して、早めに自分から動いて高校のことを調べて目標を定め、難易度が高い高校でも入れるように準備しておく必要があるということです。後で後悔しないためにも、将来の受験生は早めに動くことをオススメします。

 

 特に2日目の学校設定検査は、学校によって対策が異なってきます。面接、作文、思考力を問う問題など様々です。早めに志望校が決まっている方が準備期間を長く取れるため有利になります。

 

県立柏高校受験生の声

「今年の作文は、問題文の理解がしづらくてとても混乱するものでした。作文でどのテーマが出されてもいいように、また勉強のモチベーションのためにも県立柏高校の特色をよく理解し、説明会などもできるだけ参加しておくといいです」

 

東葛飾高校受験生の声

「東葛は思考力を問う問題でほぼ決まります。5教科も大事ですが、思考力対策の少し難度の高い問題もやっておくといいと思います」

早めの2日目学校設定検査の対策がポイントに!


●本番直前のVもぎでは、第一志望校の判定がDでしたが、最後まで諦めずに志望校を変更しなかったことが吉と出た

●1月模試の結果が良くても最後まで気を抜かずに勉強して下さい。自分は1月にVもぎでB判定、Sもぎで90%を取りましたが、落ちました。

 模擬試験の判定は鵜吞みにしてはいけないでしょう。判定不能のE判定でないなら、諦める必要はないですし、判定が良くても油断できません。そもそも全受験生がその模擬試験を受けているわけではないですからね。特にSもぎで偏差値60以上の高校を受検する場合には、注意が必要です。難関校を受ける受験生があまりSもぎを受けていない可能性もあるからです。

 またSもぎは、Vもぎと違って同じ日に受験していない場合があり、そこで出される合格判定は過去の受験生との兼ね合いからみた推計上の偏差値に過ぎないんです。特に最近の入試ではテストの形式や難易度が変わってきているのですから、単純にもぎ試験の得点だけで合格可能性を判定しづらくなっているということは認識しておいた方がいいでしょう。

 

学校の実力テストについても次のような声も寄せられています。

●その年の入試の難易度によって変わりますが、校内実力テストで430点くらいとっておくことを強く勧めます。校内実力テストから40点くらいは落ちます。

学校で行われている実力テストもSもぎと同じ会社のものが採用されていることが多いと思います。しかもその問題は最新の入試問題に対応したものにはなっていないんですね。だから入試本番は点数がかなり下がります。学校の進路指導では、この実力テストの点数と内申点の合計で面談されます。それで大丈夫だろうという話をするのは早計です。Vもぎではどうか、過去問では目標点に届いているかなど総合的に判断する必要があります。


時間配分に関するメッセージも寄せられています。

●国語は時間配分が足りず、最後までやり抜けなかった

●緊張していないと思っても実は緊張しているので、時間配分をしっかりやることをお勧めします。

勉強はしていても案外時間配分まで考えていないことは多いと思います。どれだけ思考力や読解力があっても時間が足りなければ、その力を使うことはできません。

 

かまなびでも当日の試験時間で時間配分を何パターンか考えていくようアドバイスして時間配分シートに記入させました。来年以降の受験生も、最後の準備として時間配分してみるようにして下さい。

 

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最後に英語について声を紹介します。

●英語を早いうちから勉強するべき。前後の文章から、知らない単語を理解する力を伸ばさないと戦えない。英検準2級が受かっていたら良かったのかもしれないので、英検も中学のうちに頑張れば良かった。

 

 これは本当にその通りだと思います。2023年は難易度が上がり、得点調査でも英語の得点で伸び悩んだ受験生が多いように感じました。英語という科目は、できるようにするまでには時間がかかるのですが、一度できるようにしてしまえば多少出題の難易度が変わっても得点の波が起きづらい科目です。英語は言語なので難しくするのにも限界があるんですね。せいぜい知らない単語を出題したり、文章を読みにくくしたり、リスニングで普段と違うパターンで受験生を惑わすくらいしかできません。

 英語で問われる思考力や文脈把握力、表現力、背景知識などは国語に比べたらどうしても低くなります。国語は難しくなると全受験生が難しく感じますけど、英語についてはそうはならないんですね。つまりとても差がつく科目になります。

 そして英語の力をバランスよくつけるには英検の勉強がちょうどよいんですね。とくに準2級レベルであれば、語彙力もつきますし、知らない単語がある中で読解していくというところも入試に近いところがあります。またリスニングは入試では繰り返し2回流れますけど、準2級は1回しか聞くことができない緊張感もあります。音声のスピードも公立入試よりも少し速いので、このスピードに慣れていけば入試のリスニングは遅く感じることができます。もちろんライティングやスピーキングもあるので、聞かれていることにどう答えるかという表現力もついてきます。

 一般的に英語の入試対策としては、英文法の授業を聞いたり、問題を解いたりするような「机で黙ってする勉強」が多いじゃないですか。これが実は落とし穴で、実際の入試で求められている力をつけるようなトレーニングとは異なるんですね。英語の勉強をした気になっているだけということが多いんです。

 英語はもっと身につけるトレーニングを意識して勉強しましょう。単語や熟語を覚えるのはもちろん、リスニングの音声を同じ速度で真似して音読する「シャドーイング」、基本例文を音読暗唱するなど、できるだけ机の勉強から離れてやってみることをオススメします。

 かまなびでは、かまなびの受験ガイドでも述べていたんですけど、「合格のカギは英語にある」ということに昨年の入試で気が付きました、そして、全ての塾生で英検準2級の合格を目指してトレーニングを積み約60%の中3生が準2級に合格し入試を迎えることができました。英文法や書いて問題を解くような勉強はあまりやらずに、単語・熟語の口頭ランダムテスト、基本例文暗唱テスト、シャドーイングテストなどバランスよくトレーニングを積みながら毎回テストを実施しました。ほんとこれをするだけでかなり英語の力がつきます。

 来年以降の受験生も机で書いて勉強する英語の学習からできるだけ離脱しましょう。多くの受験生が机で黙って勉強しているのですから、ライバルと大きな差をつけるチャンスとなります。

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