【注意喚起】春になると内申至上主義者の声が大きくなりはじめます


春になると内申点を煽る業者が現れます

こんにちは、かまなびです。春になると「内申点が大事!」と業者が言い出し始めるので、このテーマで書いていきます。


内申煽り業者(1)

>>こちらThreadsというSNSなんですが1000以上も「いいね」がついているのが信じられません。千葉県の入試制度も引き合いに出されていますけど、この方、少なくとも千葉県については試験制度をたいして調べずに発言していますよ。


内申煽り業者(2)

>>こちらは千葉県で塾を運営されている方のXでの発言です。千葉県で塾をやっていながら試験制度をご存知ないのかもしれないです。


春になるとこういうことを言い出す業界関係者が多く現れます。こういう内申煽りを塾関係者や教育関係の人がやっているのは看過できません。今回は、なぜ見過ごせないのかを書いていきます。


①「中1の最初から内申点にこだわらないと、入試当日にハンデを背負う」は本当か

県の入試制度によっては、内申が1教科1違うと1教科あたり3年間最大6〜7点差がつくことがあるらしいということで、5教科の内申オール3とオール4だと最大で35点くらいつくという主張のようです。これは千葉の入試制度ではないようですけど、そういうことが理論上起こるということみたいです。

 

3年間オール3って27×381ですよ。

2026年の得点調査で600件以上データがかまなびに集まっていますけど、ほとんどそんなケースはありません。

人気校や難関校中心にデータが集まっていますが、そういう学校でオール3🆚オール4の受験生が直接対決になっている事例を想定する必要があるのでしょうか。さすがに煽りすぎです。

 

2026年 得点調査アンケート

たしかにオール4vsオール5が高校入試で戦う場面ありうるが・・・

ただオール4とオール5の子が同じ学校を受けるケースは起こるかもしれません。108点vs135点ですね。27点差が開きます。

 

千葉県も事例に挙げられていましたが、中1から内申が高校受験に関与してくる試験制度になっています。

 

【千葉県の公立高校入試の場合】

1年内申は、5段階×9教科=45点満点

2年内申は、5段階×9教科=45点満点

3年内申は、5段階×9教科=45点満点

中学校合計内申は、45点×3学年=135点満点

 

この内申135点満点が入試での持ち点になるのが千葉県の公立高校の入試制度になっています。

 

3年間オール5であれば135点が持ち点になりますし、

前述のオール4であれば、4×9教科×3学年=108点が持ち点になります。

 

 

ただ千葉県では学区最上位の学校(県立千葉、県立船橋、東葛飾、佐倉)などでは内申が半分に圧縮されています。2番手校でも千葉東や小金では内申が半分に圧縮されます。

 

そうするとオール4とオール5の最大点差だった27点は、半分に圧縮されて13.5点差になってきます。

 

とはいえ、内申点だけで合否は決まりません。ここに5教科の得点が加わります。

したがって、内申圧縮の高校入試でオール4とオール5の受験生の得点差13.5を埋めるには、この得点差を5教科の入試で多く取る必要があります。

 

そして5教科の試験ですから、13.5点÷5教科で「1科目あたり2.7点」です。

 

配点からみたら1教科1問くらいじゃないですか。そんなに大きなハンデといえますかね。致命的は言い過ぎでしょう。さすがに煽りすぎです。

 

 

また東葛飾みたいに思考力を問う問題(100点満点)があったりしたら内申点ってさほど影響しないですよ。東葛飾受験生で「内申で受かりました」「落ちました」とか言ってる人はほぼ皆無です。

 

 

しかも、内申って先生がつけるわけですから自分でコントロールできないですよ。そこまで過度に不安になる必要ありますか?5なんて狙ってもらえるものなのでしょうか。特に実技とかどうですか。5を狙って確実にもらえますか。

 

 

また千葉県では内申点以外の調査書加点や面接などの比重も高い学校も多いという点も忘れてはいけません。進学校でも調査書以外のところを評価しています。

千葉県内で内申を煽っている業者は、本気で思っているのなら勉強不足です。肝心の受験勉強の指導もいい加減なことをやっている可能性すらありますよ。

 

 

【2026年入試における入試の加点事例】

*カッコ内の数字はVもぎ偏差値

 

八千代高校(58)

調査書加点50点+集団討論40点

 

鎌ケ谷高校(58)

調査書加点30点+自己表現20点

 

幕張総合(56)

募集人数上位80%

調査書加点10点+自己表現20点

 

募集人数残り20%

調査書加点50点+自己表現100点

 

船橋東(60)

調査書加点20点+面接10点

 

佐倉(64)

 

面接30

 このように、内申でこけたら終わりみたいなことにはなってなくて、部活動や生徒会など他の活動も加点事由になっている学校がほとんどです。

 

たとえば中学の部活を頑張ってるんだったら、高校の練習に参加したり、面接で部活実績をアピールすれば大きな加点が見込める場合があります。

 

ちなみに千葉県で部活動など内申以外の得点が加算されないことになっている高校は、県立千葉、千葉東、東葛飾、小金、佐倉。これらの高校はいずれも調査書の得点が半分に圧縮されるので、入試当日の得点比重が高く、内申が直接影響しているまでは言い切れません。

✴︎佐倉高校は面接の得点が30点と高く部活動実績などは面接で評価されている可能性が高いです

合否ボーダーゾーンの声が大きく取り上げられやすい

確かに、合否ボーダーラインのギリギリのケースの子達やその保護者が「内申が大事」と感じて発言することはあります。かまなびのアンケートでも内申が大事という意見をもらうことが多いです。千葉県でも市立千葉や薬園台は倍率が高く内申点も圧縮されない人気校もありますからね。

 

ただ、これについても、内申が影響しないぐらいの得点を取って合格した受験生、内申ではどうにもならない点数だった不合格の受験生は「内申大事」とは言いませんよね。

 

試験後は合否ギリギリのところのボーダーゾーンの子達やその親の声がどうしても大きくなりやすいんですよね。その分は割り引いてきかないといけないですよ。

 

むしろ「理社は入試直前でも10点以上伸びます」みたいな意見にもスポットを当てるべきですよね。そうじゃないと内申だけが大事なのかと思われてしまいます。

②過干渉は「自立」を奪う最大のハンデ

教育的視点からも、業者の内申煽り発言は同意できないです。

 

中学校のテストには「テストから逆算してスケジュールを立てる力」や「強制力がなくても自分を律する力」が必要だと正論を述べる一方で、そのために「定期テストを子ども任せにしないこと」「最初は大人のサポートが必須」だと親の介入を強く求めています。

 

また、「空欄は無しで全て丁寧に埋める」など、提出物への徹底した管理も推奨しています。

 

しかし、大人がつきっきりで管理して取らせた「ハリボテのオール4」は、高校入試本番や高校進学後に必ずメッキが剥がれます。

 

「自ら学ぶ力」を奪うような過干渉こそが、実は子どもに背負わせる最大のハンデなのです。

 

先回りして失敗させないようにすることは、子どもの成長にとってリスクでもありますし、失敗する権利を奪っているとも言えます。「あのとき失敗したから気づけてよかった」という経験って誰でもあるんじゃないですか。子どもは失敗から目覚めると言っても言い過ぎではないのです。

③塾の本来の役割:「内申の管理」ではなく「本番での逆転力」を育むこと

内申を煽る業者は、内申点が足りない場合「入試の当日のテストの点数など他の部分でカバーするしかない」と、本番での挽回をまるで「仕方ないペナルティ」のように語ります。

 

しかし、「本番のテストで逆転させる」ことこそが、私たち塾屋の腕の見せどころであり、最大の存在意義ではないでしょうか。

 

プロとして入試問題の傾向を徹底的に分析し、出題予想を行い、当日どんな状況でも点数をもぎ取る「得点力」を鍛え上げる。それこそが、塾が情熱を注ぐべき「まっとうな仕事」です。

 

一方で保護者の不安を煽る「情弱ビジネス」って誰でも簡単にやれるんですよね。前述のSNSでもたいして調べもせずに発言してるんだと思います。そして不安に感じている保護者や子どもの共感も得やすい。特に生徒集めの春先に業者のSNSでよく目にします。

 

それらに煽られた親が暴走して最悪のケースでは教育虐待みたいなことになったりすることもあるんじゃないでしょうか。今回は警鐘を鳴らすために、ここではしっかり反論しておきます。

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