2026千葉県公立高校入試 平均点・得点分布分析


 2026年2月に実施された千葉県公立高校入試の結果が公開されました。

 

 2026年度の5教科合計の県平均は281.9点で、前年の262.8点から19.1点上昇しました。英語が47.1点→60.1点(+13.0点)、社会が51.7点→60.0点(+8.3点)と大きく動き、全体を押し上げています。社会の60.0点は6年間で最高値です。

 

 

ここで重要な数字をもう一つ見てください。5教科合計の標準偏差(受験生ごとの点数の「ばらつき・格差」を表す数値)は、前年88.3から今年89.9へ、ほぼ変わっていません。平均点が19.1点も上がったのに、受験生全体の散らばりはほぼ同じだったということなんです。

 つまり、一部の優秀な層だけが伸びたのではなく、分布全体が上方向にそのまま移動した年だということです。「去年より点数が上がった」だけでは安心できない。県平均が19点上がっているなら、本人もそれに近い上昇をして初めて、相対的な位置を維持できたと考えるべきなんです。

上位校と中上位校で「易化の恩恵」は全然違う

 高校別の得点開示データと照らし合わせると、さらに興味深いことが見えます。

 県立千葉の合格者平均は前年より-2.4点。東葛飾+7.2点、県立船橋+6.8点、千葉東+6.0点。県平均が19点上がった年に、これだけの数字にとどまっています。

 これは上位校の学力が下がったわけではありません。もともと英語・社会で高得点を取る層が集まっているため、問題が易化しても「天井」にぶつかりやすく、伸びしろが小さかったためです。

 一方、小金・市立千葉・薬園台・県立柏・柏南といった中上位校では、県平均の上昇に近い形で合格者平均も上がっています。2026年度の易化は、この層の得点に最もストレートに反映された年でした。

 ただし、これは「取りやすくてラッキー」という話では終わりません。つまり中上位校の入試は、実力差で勝負がつくというより、「簡単な問題でいかにミスをしないか」という、過酷なノーミス合戦になっていたわけです。易化した年ほど、1問のイージーミスが命取りになる。これは2027年度以降の受験生にも強く意識してほしいことです。

「差がつく科目」は6年間変わっていない

 6年間のデータで見ると、科目ごとの構造がはっきりします。

 

 英語の標準偏差は24.0、数学は20.1、理科は20.8。この3科目は一貫して標準偏差が大きく、受験生の間で得点差がつきやすい科目です。

 

 対して国語は標準偏差15.9で、6年間ずっと15〜17の範囲に収まっています。国語は「大きく稼ぐ科目」ではなく、「崩れないように守る科目」として見るべきなんですね。この点は、直前期に時間配分を意識した練習は欠かせないだろうと思います。

 

 

 英語は振れ幅の大きい科目になっています。2023年度は47.6点、2024年度は56.4点、2025年度は47.1点、そして2026年度は60.1点。毎年これだけ動く科目なのに、標準偏差は24前後で安定しています。「今年は取りやすかった」で終わらせると、翌年の対策を誤ります。4技能バランスよく、どんなレベルの問題になっても対応できるようにトレーニングを積んでいくべきです。

 

  数学は2022年度以降、47.0〜52.6点の範囲で静かに安定しています。英語・社会が上下に動く中でも、数学だけはほとんど動かない。それでいて標準偏差は20点台のまま。 

 

 数学に関しては2022年から形式が変わって、難し目の問題を前半で配置しやすくなったのが大きな要因になっています。2026年のように全員が英語・社会で高得点を取れる年になると、安定して難しい「数学」の1問が、合否を分ける決定打になります。

 

  ですから、数学で穴を作らないように念入りに標準レベルの問題までは確実に得点していく練習を積んでいく必要があるでしょう。

 

 この辺りはこちらで学力別にまとめていますので、参考にしてください。

 千葉県公立高校入試数学の研究

 入試が終わると「2026年度は取りやすかったです」という情報が出回ります。それ自体は間違いではありません。でも、そこで終わると見えなくなるものがあります。

 

 県平均が19点上がった年に、志望校の合格者平均は何点上がったのか。得点分布の中心帯はどこにあるのか。英語・社会が動いたとき、数学・理科で差がついていないか。これをセットで見なければ、本当の意味での「今年の傾向」はつかめないということなんです。

 

 私が6年分のデータを積み上げているのは、1年だけでは「今年たまたまそうだった」のか「構造として差がつく科目なのか」が判断できないからです。データを重ねて初めて見えてくるものがあります。

 

 高校別の過去の得点情報はこちら高校レポートのリンクから確認できますので参考にしてみてください。

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